就職率100%が就職に強い大学?数字のカラクリに騙されるな!
昨今では志望する大学の判断基準として、“就職率”を判断基準にする動きが見られています。
昔のように、偏差値が高ければいいというわけではなく、大学のその先を見据えた大学選びが大切になっており、就職に関してよりシビアになっている流れがあります。例え偏差値が高くない大学であっても、専門分野の就職に強い大学も多く、そういった大学は人気を集めています。
大学側は就職率と大学選びは切っても切り離せない関係にあることを知っているので、オープンキャンパスでは就職についての説明会を行い、就職率や就職先などの情報を毎年開示して、大学選びの判断材料にしています。
しかし、数字の扱い方は各大学によって異なっており、きちんと見定めなければ大学の術中にはまってしまいます。ここでは、各大学が公表している就職率のカラクリについて、詳しくご紹介していきます。
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就職率がいい大学≠いい大学

就職活動はある意味競争社会の一端であることから、就職できた学生はその競争を勝ち抜いた者たちであると言えます。また、その勝ち抜いた学生を抱え込み、サポートしてきた大学側は評価に値します。就職率が良い大学や大企業就職者が多い大学は人気があり、昨今の大学受験トピックの中でも就職率というのはホットな話題であると言えます。
世の中のこのような流れから、就職率が良い大学というのは学生の質が良いと判断されます。しかし、就職できない=優秀でないというのは勘違いであり、就職率が悪い大学は質も悪い大学だと判断するのは早計であると言えます。
東大・京大は良くない大学?
前述したように、「就職率が悪い大学」=「学生の質が悪い大学」という判断基準になる場合、その筆頭格は東京大学・京都大学になります。東京大学の就職率は4.4%と一桁台です。
これは東京大学・京都大学の学生が就職活動をしたがらない人種であるというわけではなく(一部にはいる)、彼らのほとんどは進学します。特に理系学部は進学率が高く、大学院に進学するのが一般的です。この傾向は偏差値が高い大学ほどこの傾向が見られます。このことから、一概に就職率だけで大学の優劣をジャッジするのは間違いであると言えます。
進学以外の就職率が悪くなる理由
就職率が悪くなる一番の理由は進学率ですが、その他にも海外留学や海外ボランティア・長期海外インターンに参加している生徒が多い場合、就職率が低くなります。
特に外国語に強い大学にはその傾向が見られ、卒業後は海外でなんらかの活動をしている場合があります。そういった大学の場合、海外での経験が生かされることで就職に強い場合があります。
また、芸術系の大学は就職率は低くなる傾向にありますが、芸術系の学生の場合は卒業後フリーランスで働いたり、個人事務所に所属する場合が多いことから、就職にも進学にも当てはまらない進路をたどることになります。
このことからも、大学が公表する就職率だけで判断してはいけないことがわかります。
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就職率の計算方法は?

就職率というのはそもそもどのように計算されるのでしょうか?
一般的な就職率の計算式は、「就職者総数」÷「卒業者数」です。
卒業者の中には進学予定者やボランティア参加予定者も含まれていることから、東京大学や京都大学と言った難関大学の就職率が低くなる傾向にあります。
注目すべきは、計算の仕方が違う大学の就職率です。
分母に「就職希望者数」を持ってくる大学は注意!
大学の中には、計算方式の分母に「卒業者数」ではなく「就職希望者数」を当てはめる大学があります。つまり、「就職を希望している学生」の中で「実際に就職できた生徒数」の数を基準として就職率にしている大学ということです。
ここに隠されたカラクリは「就職希望者数」を分母に置いたら、就職率は確実に上がるということです。なぜなら、「就職希望者数」の中には進学希望者や海外ボランティア希望者は含まれておらず、分母は必ず小さくなるからです。
「就職希望者数」を分母に置くことを基準とした場合、東京大学も京都大学も100%に近い就職率になるはずです。
就職率が100%以外の大学は悪い大学?
実は「就職希望者数」を基準にする場合、就職率は100%でなければいけません。なぜなら、100%以外の数字が意味するところは「就職を希望しているのにも関わらず、就職できなかった生徒が出てしまった」ことを意味しているからです。
こういった事実から、「就職希望者数」を分母に置いた就職率を公表している大学は、就職率を見栄え良くしたい大学であり、良い大学かどうかは疑問が残ると言えます。
ただし、例外はあります。”看護師”といった大学の学びが仕事に直結する場合、看護師になれたかどうかが重要であることから「就職希望者数」を分母に持ってくる場合があります。看護師を希望する学生にとって大事なことは、看護師として働きたい学生が実際何パーセント働けているのかどうかが大事だからです。
就職率はコントロールできる
大学が公表する就職率は一定の基準やルールがあるわけではなく、大学が好きなように好きな方法で公表することができます。
つまり、就職率は大学によってコントロールすることができることを意味しています。例えば、就職できなさそうな学生はカウントしなかったり、具体的な数を公開せず就職率だけ公表する場合などがあります。
実際の数字と公表している数字が乖離している場合などもあり、自分で就職率を調べる能力が必要とされますがそもそも情報が公表されていなければ計算もできません。
就職率はいいが退学率や除籍率が高い大学も要注意です。優秀な生徒や就職できそうな生徒だけを残せば、就職率が良くなるのは当たり前だからです。
また、非正規雇用やアルバイトも就職者数にカウントする大学も存在し、数字情報だけでは判断できない場合もあります。
大学選びで本当に大切なこと

これらのことから、大学が公表している就職率は参考にならない場合があり、例え就職率が高くても就職先に問題があったりすぐに辞めてしまったりと評価に値しない場合もあります。
大学選びに就職率”だけ”を見て決定するのは危険です。まずは自分の中にある「興味があること」「やってみたいこと」といった軸を基準として最適な大学を選ぶことが大切です。
東大の就職率が低い深い理由
東大生は優秀だからといって就職率が高いわけではなく、その理由は進学者が多いからだけではありません。
例え天下の東大生であっても司法試験や公認会計士浪人は存在し、挫折する人間もいます。
また、東大生が就職しない理由として、「卒業後はバックパッカーとして世界を回る」や「縁もゆかりもないが、興味があったので坊主になった」、「趣味でプログラミングしていて、その延長として起業した」といったようなこともあります。
東大生だからできたことかもしれませんが、大切なことは就職以外にも自由な選択があるということです。彼らは人生の目標が他大学生より解像度が高いと言えます。
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大学の就職率のカラクリまとめ
大学の公表する就職率について、あたかも陰謀があるかのような書き方をしましたが本来は「就職者」÷「卒業生(進学者除く)」を計算基準にするのが一番フェアであると言えます。
どうしても本当の就職率を知りたい場合は、大学に直接問い合わせることがおススメです。良心的な大学であれば数字を開示してくれます。
また、実際にオープンキャンパスなどに参加して就職情報を生で聞くことも大切です。ネットには載っていない情報や就職サポートについての姿勢がわかるはずです。
後悔しない大学選びのためにも、そういったことをチェックしておきましょう!