国立大学と私立大学の偏差値は違う!?比較するのに換算できる?
偏差値は大学のレベルを測る上で重要な枠割を果たしており、志望校を選ぶ際や自分の学力を把握する際にとても重要な役割を果たしています。
ただし、偏差値は相対的なものなので対象が変わると単純に比較できなくなります。偏差値の内容に差が出る代表格として、国立大学と私立大学の偏差値の違いがあります。
同じ偏差値60でも、国立大学の60と私立大学の60では難易度が異なります。
それでは、なぜ国立と私立では偏差値に違いが出るのか詳しくご説明します。
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国立大学と私立大学ではどちらの難易度が高くなる?

同じ偏差値の国立大学と私立大学が存在する場合、その難易度は同じではありません。
なぜなら、偏差値は母集団が同じであり受験科目数が同じでなければ厳密な比較はできず、受験者の平均点が異なるからです。
平均点が高くなりがちな国立大学は偏差値が上がりにくく私立は上がりやすい傾向にあります。
国立大学と私立大学では受験してくる学生層に違いがある
国立大学の受験生はセンター試験を突破した人だけが二次試験に挑戦できます。つまり、ある一定のレベルまで達していることが条件であり、必然的に受験生のレベルは同程度に絞られる形となります。
また、国立大学受験は一回(後期があれば二回)きりで併願ができません。受験できる生徒の数が限定されており、レベルのバラつきがでにくいことを意味しています。
一方で私立大学は、一般受験はどういったレベルの層にも受験することが可能で、また受験の回数も複数回設けられています。つまり、受験者数が多くなる傾向にあり、点数帯にバラツキが出ることで偏差値が上がりやすい傾向にあることを意味しています。
国立と私立の科目数の違い
国立大学受験生は全科目をセンター試験で受験しなければいけません。
つまり、同じ偏差値60であっても、国立大学は全7科目のセンター試験を突破した層が集まった中で計算された偏差値60と、科目数2つか3つ(場合によっては1科目)で、受験生のレベルもピンキリな中で計算された私立大学の偏差値60では、その内容は大幅に異なります。
国立大学を受験する学生は全7科目の偏差値が50であっても、2科目や3科目であれば偏差値が60を超える生徒もいることから、比べている土俵が違うことがわかるかと思います。
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国立大学と私立大学を両方受験した時の結果はどうなる?

偏差値60の国立大学が合格圏内である受験生Aと、偏差値60の私立大学が合格圏内の受験生Bがいるとします。
どちらの受験生にも偏差値60の国立・私立を受験させた時に、両方合格できる確率が高い受験生はAであり、Bは私立を合格できる可能性は高いですが、国立大学に合格できる確率は低いです。
それは前述した通り、科目数の違いと合格者の数、受験者層の違いがあるからです。このことからも、国立大学受験者の方が偏差値は低く見積もられていることがわかるかと思います。
私立大学の経営事情が偏差値を高くする
また、私立大学はビジネスであることから、確実に生徒の数を確保しなければいけません。
私立大学の場合、併願している学生の中には入学してこない学生もたくさん存在するので、多めに合格者を出す傾向にあります。
そのため、受験生の数・合格者の数が共に多くなる傾向にあります。そういった点からも、国立大学と比べ合格への難易度は異なります
私立大学の間でもレベルの違いがある
上記のことから、私立大学は偏差値が高くなりやすく多めに合格者を出すことから入学しやすいと勘違いしそうですが、有名私立大学になると受験生の層が上がるのでその限りではありません。
有名私立の場合、難関国立大学の併願として受験する層も増えるので、入学の難易度が高くなる傾向にあります。
難関国立大学受験生であれば私立の有名校の併願は有利かもしれませんが、有名私立志望で判定がギリギリの場合は合格が難しくなる点を注意しなければいけません。
偏差値の違いがでるカテゴリーは他にもある

国立と私立では偏差値に差が出ると前述しましたが、文系と理系の偏差値にも違いがでます。
経済学部の偏差値50と工学部の偏差値50とでは内容が異なり、理系の方が偏差値は低く見積もられる傾向にあります。
理系の場合、センター試験のボーダー割合が高くなる傾向にあり、二次試験の受験者層が文系の学生と異なります。そのことから、文系受験生より理系受験生の方がレベルが高く偏差値が上がりにくい傾向にあります。
また、文系と理系で偏差値が大きく異なる原因として、ハイレベルな学部の存在があります。
平均点を上げるハイレベル学部の存在
偏差値とは、平均点を50として計算しますが、「医学部」「獣医学部」「歯学部」「薬学部」の受験生はハイレベルであり、平均点も高くなる傾向にあります。
それを平均点を50として偏差値を割り出すので、偏差値の内容としてはハイレベルなものとなります。
そういった事情から、医学部の模試は別で設けられたりするので、一概に偏差値だけで比べることはできないと言えます。
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将来、偏差値は無意味になる?
国立大学はセンター試験で全科目が必要であることから、偏差値もシビアになるという話をしましたが、2020年を最後にセンター試験が廃止されます。新たな共通試験ができますが、偏差値に影響する形となるでしょう。
また、海外では偏差値という概念は存在しません。なぜなら、海外の受験は主に高校の成績などの書類審査だからです。
大切なことは日頃の行いであるという考えから、一発で決まる入学試験はなくスコアで決まるものは複数回受験できる民間の試験を採用しています。
日本が将来的にその方式を採用する可能性は高く、偏差値が意味をなさない未来がやってくる可能性があります。
大学選びで大切なことは偏差値ではない
偏差値が高い大学=いい大学であることは半分正解で半分間違いでもあります。
偏差値が高い大学というのは学生のレベルが高く、その学生を教える教授の質や設備レベルも高い傾向にあります。ただし、偏差値が高いからといって東京大学と京都大学ではその校風や学べる内容は全く異なります。
さらに、偏差値が高いからといって自分が興味のない学部に進学することは無意味です。一番大切なことは偏差値の高さではなく、「その大学で何ができるか」ということです。
偏差値に振り回されず、自分は何を学びたいのが、どういった方向性に向かいたいのか、を考えることが志望校選びの近道です。
国立大学と私立大学の偏差値は違う|まとめ
偏差値は将来無意味になると説明しましたが、偏差値には大切な役割があることも確かです。偏差値は学力を計り、自分がどの立ち位置にいるかを判定してくれるフェアな計算方式です。
学力の伸びを図る明確な値であり、自分の成長度合いが目に見えてわかります。偏差値があると学習計画が立てやすくなるので、将来自分が行きたい大学への指針になってくれる大きな羅針盤です。
また、医学部などのハイレベルな学部を志望している場合はより正確な偏差値を測るために医学部模試試験を受けることも大切です。
大学受験を制するためにも、偏差値の仕組みを理解して上手く利用するようにしましょう。